組立と保守を製品構造に統合する設計

組立と保守を製品構造に統合する設計

Assemblability & Serviceabilityとは、製品を容易かつ正確に組み立てられるようにすると同時に、使用中に必要となる点検、洗浄、調整、修理、および部品交換を効率的に実施できるようにする設計分野である。

各用語は、次のように整理できる。

  • Assemblability — 組立性

  • Serviceability — サービス性または整備性

  • Maintainability — 保守性

  • Assemblability & Serviceability — 組立性および保守性

機械設計では、個々の部品が正しく製作されていても、組立順序が複雑であったり、工具のアクセスが制限されていたりすると、製品を安定して完成させることは難しい。また、運転性能が優れていても、故障部品を交換するために装置の大部分を分解しなければならない場合、停止時間と運用費用が大幅に増加する。

したがって、組立性と保守性は、製品開発の完了後に検討する付加的な要求事項ではない。構造、インターフェース、締結方式、モジュール化、基準、配線、配管、およびカバー形状を決定する初期設計段階から反映する必要がある。

Assemblability & Serviceabilityは、次の問いから始まる。

  • 部品をどのような順序で組み立てるか。

  • すべての部品を一方向、または最小限の方向変更で挿入できるか。

  • 締結工具が十分にアクセスできるか。

  • 組立中に部品が自然に位置決めされるか。

  • 間違った方向や異なる部品による誤組立を防止できるか。

  • 組立後に検査と調整を行えるか。

  • 点検箇所は見やすく、アクセスしやすいか。

  • 故障した部品だけを取り外して交換できるか。

  • 配線と配管を混同せずに切り離し、再接続できるか。

  • 不要な分解をせずに洗浄や給油を行えるか。

  • 保守後に元の位置と性能を正確に復元できるか。

  • 作業者の安全を確保した状態で整備できるか。

Assemblability & Serviceabilityの主要な検討要素は、次のように整理できる。

  • Assembly Architecture — 組立構造

  • Assembly Sequence — 組立順序

  • Part Handling and Orientation — 部品の取扱いと方向性

  • Locating and Alignment — 位置決めとアライメント

  • Fastening and Joining — 締結と接合

  • Tool and Hand Accessibility — 工具と手のアクセス性

  • Mistake-Proofing — 誤組立防止

  • Modularity — モジュール化

  • Inspection and Adjustment — 検査と調整

  • Maintenance Access — 保守アクセス性

  • Diagnostics and Fault Isolation — 診断と故障箇所の切り分け

  • Replacement and Reassembly — 交換と再組立

  • Cleaning and Sanitation — 洗浄と衛生管理

  • Documentation and Identification — 文書化と識別

  • Safety During Service — 整備作業時の安全

Assemblabilityの基本概念

Assemblabilityとは、個々の部品とサブアセンブリを、定められた順序に従って容易、正確、かつ繰り返し可能な方法で結合し、完成品を構成できる程度を意味する。

組立性に優れた設計とは、単に短時間で組み立てられる設計ではない。次の条件も満たす必要がある。

  • 組立順序が明確である。

  • 部品を容易に取り扱える。

  • 挿入方向が単純である。

  • 基準と位置決め構造が明確である。

  • 締結部に工具がアクセスできる。

  • 部品を無理に押し込んだり、変形させたりする必要がない。

  • 組立中の仮支持が最小限である。

  • 誤組立の可能性が低い。

  • 組立後に検査と調整を行える。

  • 作業者の熟練度に過度に依存しない。

  • 同一品質で繰り返し組み立てられる。

組立性は、次の関係として理解できる。

単純な部品構成 + 明確な組立順序 + 安定した位置決め + 容易な締結 + 誤組立防止 = 再現性のある組立

組立性の低い製品は、生産現場で次の問題を引き起こす可能性がある。

  • 長い組立時間

  • 作業者ごとの品質ばらつき

  • 部品損傷

  • ねじ山の損傷

  • 締結部品の取付け忘れ

  • 方向間違い

  • 誤配線

  • 繰返し行われる現場修正

  • 再組立

  • 検査時間の増加

  • 生産遅延

Serviceabilityの基本概念

Serviceabilityとは、製品の使用中に必要となる点検、調整、給油、洗浄、修理、部品交換、および機能復元を、どれだけ容易かつ安全に実施できるかを示す概念である。

ServiceabilityはMaintainabilityと類似した意味で使用されるが、次のように区別できる。

Maintainability

Maintainabilityは、故障または性能低下が発生した設備を、定められた条件と時間内で復旧できる能力に重点を置く。

主な対象は次のとおりである。

  • 予防保全

  • 事後保全

  • 修理時間

  • 交換時間

  • 点検周期

  • 復旧性

Serviceability

Serviceabilityは、保守だけでなく、製品の使用中に必要となるサービス活動全般を含む、より広い概念として考えることができる。

主な対象は次のとおりである。

  • 点検

  • 洗浄

  • 給油

  • 設定

  • 調整

  • 消耗品交換

  • 故障診断

  • 修理

  • アップグレード

  • 現地サービス

Serviceabilityに優れた設計は、次の条件を満たす必要がある。

  • 点検箇所を容易に確認できる。

  • 頻繁に交換する部品へ迅速にアクセスできる。

  • 最小限の工具で分解できる。

  • 故障箇所を短時間で特定できる。

  • 正常な部品を不必要に分解しない。

  • 取り外した部品や締結部品を紛失しにくい。

  • 配線や配管を誤って再接続しにくい。

  • 修理後に元の位置と性能を復元できる。

  • 保守中に作業者が不必要な危険へさらされない。

  • 整備後に機能を容易に確認できる。

組立性と保守性の関係

組立性と保守性は密接に関連しているが、必ずしも同じ方向に改善されるとは限らない。

例えば、永久接着や溶接は初回の組立工程を単純化できる一方で、その後の分解や交換を困難にする可能性がある。

逆に、すべての部品をボルトで締結すると修理は容易になる可能性があるが、部品点数と組立時間が増加する。

そのため、次の要素のバランスを考慮しなければならない。

  • 初回組立時間

  • 製品剛性

  • 締結信頼性

  • 分解可能性

  • 部品交換頻度

  • 予想製品寿命

  • 保守費用

  • 衛生要求

  • 安全要求

  • 生産量

組立性と保守性を同時に考慮した設計は、次の関係を持つ。

効率的な初回組立 + 必要範囲の分解可能性 + 再現性のある位置復元 + 安全な整備 = 継続的に運用できる製品

Assembly Architecture — 組立構造

組立構造とは、製品をどのような部品とサブアセンブリに分割し、それらをどのような関係で結合するかを定義するものである。

単体部品とサブアセンブリ

複雑な製品を一度に組み立てるのではなく、機能別のサブアセンブリに分割する方が有利な場合がある。

例として、次のような構成がある。

  • フレームモジュール

  • 駆動モジュール

  • 切断モジュール

  • 搬送モジュール

  • 電装モジュール

  • 空圧モジュール

  • 安全カバーモジュール

  • 操作パネルモジュール

サブアセンブリには、次の利点がある。

  • 並行して組立を行える。

  • 機能単位で検査できる。

  • 作業責任を明確にできる。

  • 不良箇所を追跡しやすい。

  • モジュール単位で交換できる。

  • 派生機種を構成しやすい。

ただし、過度なモジュール化は次の問題を引き起こす可能性がある。

  • インターフェース数の増加

  • 締結部数の増加

  • 装置全体寸法の増加

  • コスト増加

  • アライメント誤差の累積

  • 配線と配管の複雑化

したがって、モジュールは機能、保守周期、生産工程、および交換単位を基準として定義する必要がある。

基準構造

組立体には、各部品を接続するための明確な基準構造が必要である。

代表的な基準構造には、次のものがある。

  • メインフレーム

  • ベースプレート

  • 中央シャフト

  • 基準レール

  • 基準ブロック

  • 精密加工面

  • モジュール取付けインターフェース

基準構造が不明確である場合、各部品の位置が他の部品に連鎖的に依存し、公差累積と組立誤差が大きくなる可能性がある。

インターフェースの削減

部品とモジュールの間のインターフェースが増えるほど、組立と保守は複雑になる。

各インターフェースには、次の要素が必要となる場合がある。

  • 位置決め

  • 締結

  • 密封

  • 電気接続

  • 配管接続

  • 検査

  • 調整

機能上必要のないインターフェースは、可能な限り削減することが望ましい。

Assembly Sequence — 組立順序

組立順序とは、部品をどのような順序と方向で結合するかを定義するものである。

順次組立

一般的な組立工程は、次のように進めることができる。

  1. 基準フレームを設置する。

  2. 主要な位置決め部品を取り付ける。

  3. 駆動系を取り付ける。

  4. 運動伝達部品を取り付ける。

  5. 機能モジュールを取り付ける。

  6. 配線と配管を接続する。

  7. カバーと安全装置を取り付ける。

  8. 調整とアライメントを行う。

  9. 検査と機能試験を実施する。

設計者は完成状態の3Dモデルだけを見るのではなく、各組立工程において部品と工具が実際にアクセスできるかを確認する必要がある。

組立方向

組立方向は、可能な限り単純に構成することが望ましい。

理想的な条件には、次のものがある。

  • 上から下への挿入

  • 前から後ろへの挿入

  • 一つの主要組立方向を使用

  • 重力方向を利用

  • 部品の回転を最小化

  • 組立体の反転を最小化

複数方向から挿入する必要がある構造は、次の要素を増加させる。

  • 作業時間

  • 仮支持の必要性

  • 部品落下の危険

  • 作業者の身体的負担

  • 治具の複雑性

  • 自動組立の難易度

予備組立と最終組立

配線、軸受、シール、および内部部品は、アクセスしやすい状態で事前に組み立てる方が有利な場合がある。

例として、次のものがある。

  • モータと減速機をブラケットへ予備組立する。

  • 軸受とシールをハウジングへ予備組立する。

  • センサとケーブルをカバーへ予備組立する。

  • バルブとチューブをマニホールドへ予備組立する。

予備組立したユニットは、最終組立体へ取り付ける前に、単独で検査できることが望ましい。

Part Handling and Orientation — 部品の取扱いと方向性

組立部品は、作業者が容易につかみ、移動し、正しい方向へ配置できなければならない。

部品の大きさと形状

取扱いが難しい部品には、次の特徴がある。

  • 極端に小さい。

  • 非常に薄い。

  • 互いに密着しやすい。

  • 変形しやすい。

  • 鋭利な角がある。

  • 表面が滑りやすい。

  • 左右の方向を区別しにくい。

  • 重心が不安定である。

可能な場合には、つかみやすい平面、ハンドル、くぼみ、または製品接触外の取扱い領域を設けることが望ましい。

方向性

完全に対称な部品は、方向を区別する必要がないため組立が容易である。

対称化できない場合には、正しい方向が直感的に分かるようにする必要がある。

方向性を示す方法には、次のものがある。

  • 非対称形状

  • 基準溝

  • 方向キー

  • 色分け

  • マーキング

  • 片側だけに設けたボス

  • 異なる穴間隔

方向を判断するために作業者が常に図面を確認しなければならない構造は望ましくない。

重量部品の取扱い

重い部品には、次の要素が必要になる場合がある。

  • 吊りアイ

  • ハンドル

  • 吊り穴

  • フォークリフト差込み部

  • 重心表示

  • 仮固定構造

  • 組立用ガイドピン

作業者が重い部品を手で保持しながらボルトを挿入しなければならない構造は避ける必要がある。

Locating and Alignment — 位置決めとアライメント

精密組立において、ボルトだけで部品位置を決定してはならない。

ボルト穴には通常、組立用のすきまがあるため、高い位置精度が必要な場合には、別の位置決め構造が必要になる。

主な位置決め方式

代表的な位置決め要素には、次のものがある。

  • ダウエルピン

  • パイロットボス

  • はめあい径

  • 基準面

  • キー

  • V溝

  • テーパ

  • ストッパ

  • ショルダ

  • アライメントピン

位置決めと拘束

部品を過度に拘束すると、組立が困難になったり、公差の競合が発生したりする可能性がある。

位置決めでは、一般的に次の原則を適用する。

  • 必要な自由度だけを拘束する。

  • 重複拘束を避ける。

  • 一つの主基準を設定する。

  • 熱膨張が必要な方向の移動を許容する。

  • 繰返し分解後も基準が維持されるようにする。

自己整列構造

自己整列構造は、作業者が細かな位置を手動で合わせなくても、部品が自然に整列するようにする構造である。

代表的な形状には、次のものがある。

  • 面取り

  • リードインテーパ

  • パイロット径

  • 丸みを持たせた入口

  • ガイドピン

  • スロットとピン

  • 球面ワッシャ

自己整列構造は、組立時間と表面損傷を低減する。

調整構造

製造公差や溶接変形を吸収するために、調整構造が必要になる場合がある。

  • 長穴

  • シム

  • ジャッキボルト

  • 偏心ブッシュ

  • 調整ねじ

  • スライドマウント

  • 微調整ブロック

ただし、調整箇所が多すぎると、作業者依存性と組立時間が増加する。可能な場合には、高精度な基準構造によって調整の必要性を減らす必要がある。

Fastening and Joining — 締結と接合

接合方式は、組立時間、構造信頼性、分解可能性、および保守費用に直接影響する。

ねじ締結

ボルトとねじは、分解および再組立が可能な代表的な締結方式である。

主な利点は次のとおりである。

  • 標準化しやすい。

  • 分解できる。

  • 修理と交換が容易である。

  • 組立状態を確認しやすい。

主な制約は次のとおりである。

  • 部品点数が増加する。

  • 締結時間が必要である。

  • 緩みが発生する可能性がある。

  • ねじ山を損傷する可能性がある。

  • 工具アクセス空間が必要である。

  • 締付けトルク管理が必要である。

締結部品の標準化

一つの製品で多くの種類のボルトや工具を使用すると、組立と保守が複雑になる。

可能な限り、次の項目を標準化することが望ましい。

  • ボルト径

  • ボルト長さ

  • 頭部形状

  • ねじ規格

  • ワッシャの種類

  • 工具サイズ

  • 締付けトルク

標準化によって、次の効果を得られる。

  • 部品種類の削減

  • 在庫削減

  • 工具交換回数の削減

  • 作業ミスの低減

  • 保守の単純化

締結方向

可能な場合、ボルトの挿入方向と工具アクセス方向を統一することが望ましい。

特に次の構造は避ける必要がある。

  • 内部から外部へ挿入しなければならないボルト

  • ナットを手で保持しなければならない構造

  • 見えない位置にある締結部

  • 組立後にアクセスできないボルト

  • 両側から同時に工具を使用しなければならない締結部

溶接ナット、インサートナット、キャプティブナット、またはタップ穴を使用すれば、片側から締結できる。

緩み防止

振動や繰返し荷重が作用する構造では、緩み防止対策が必要である。

  • 適正な締付けトルク

  • 緩み止めナット

  • ねじロック剤

  • スプリングワッシャ

  • 歯付きワッシャ

  • ダブルナット

  • ワイヤロック

  • 機械的ロック構造

緩み防止方式は、保守時の分解可能性と併せて検討する必要がある。

キャプティブファスナ

キャプティブファスナとは、緩めた後もカバーや部品から完全には外れない締結部品である。

主な利点は次のとおりである。

  • 締結部品の紛失防止

  • 食品機械における異物混入防止

  • 再組立時間の短縮

  • 部品管理の単純化

永久接合

溶接、リベット、接着、および圧入は、永久的または半永久的な接合方式である。

次の条件では適している場合がある。

  • 交換の必要性が低い。

  • 高い剛性が必要である。

  • 密封が必要である。

  • 部品点数を減らす必要がある。

  • 機能上、分解する必要がない。

ただし、想定寿命と修理方針を検討せずに永久接合を適用すると、モジュール全体を廃棄しなければならない可能性がある。

Tool and Hand Accessibility — 工具と手のアクセス性

組立や整備を行うには、手と工具が作業位置へ到達できなければならない。

工具アクセス空間

次の項目を確認する必要がある。

  • レンチの旋回空間

  • ソケットの挿入空間

  • ドライバ軸方向の空間

  • トルクレンチの長さ

  • プーラ取付け空間

  • 軸受圧入工具の空間

  • 測定工具のアクセス

  • ケーブルコネクタの取外し空間

CAD上でボルトが見えていても、実際に工具がアクセスできるとは限らない。

手のアクセス空間

手作業が必要な場合、作業者の手の大きさと手袋の使用を考慮しなければならない。

次の作業には十分な手作業空間が必要である。

  • コネクタ締結

  • ホース取外し

  • フィルタ交換

  • 給油

  • センサ調整

  • ねじ締結

  • 異物除去

作業姿勢

アクセス可能であっても、作業姿勢が不安定であれば保守性は低い。

次の姿勢は避ける必要がある。

  • 長時間、腰を曲げる作業

  • 頭上作業

  • 身体を装置内部へ深く入れる作業

  • 片手で部品を支えながら、もう片方の手で締結する作業

  • 鋭利な構造の間で行う作業

頻繁に行う整備作業は、可能な限り腰から胸の高さで実施できるように配置することが望ましい。

Mistake-Proofing — 誤組立防止

誤組立防止とは、誤った部品、方向、順序、または接続が発生しないように構造的に防止する設計である。

日本の製造現場で広く使用されるポカヨケの考え方として理解できる。

形状による誤組立防止

  • 非対称穴

  • 異なるピン間隔

  • 方向キー

  • 一方向にしか接続できないコネクタ

  • 異なるポート径

  • 異なるねじ規格

  • 機械的インターロック

視覚的識別

  • 色

  • 番号

  • 文字マーキング

  • 方向矢印

  • ラベル

  • 接続線表示

  • 基準線

視覚表示は有効であるが、汚染、摩耗、またはラベル損傷によって判別できなくなる可能性がある。重大な誤組立は、可能な限り形状によって防止する方が安全である。

配線・配管の誤接続防止

配線と配管は、次の方法で区別できる。

  • 異なるコネクタ形状

  • 異なるポートサイズ

  • 色分けされたチューブ

  • 番号付きスリーブ

  • キー付き接続構造

  • 異なるケーブルまたはホース長

  • 固定された接続位置

順序間違いの防止

特定の部品を先に組み立てる必要がある場合、機械的インターロックまたは段階別検査によって順序を管理できる。

Modularity — モジュール化

モジュール化とは、製品を機能的に独立した組立単位および交換単位に分ける方法である。

組立面での利点

  • 並行組立

  • 機能別検査

  • 作業分担

  • 生産リードタイムの短縮

  • 派生モデルの構成

  • 組立エラーの局所化

保守面での利点

  • 故障したモジュールだけを交換できる。

  • 現地修理時間を短縮できる。

  • 予備モジュールを運用できる。

  • アップグレードが容易になる。

  • 部品を再利用できる。

  • 停止時間を短縮できる。

モジュールインターフェース

モジュールインターフェースでは、次の項目を明確に定義する必要がある。

  • 機械的位置決め

  • 締結規格

  • 電気コネクタ

  • 空圧ポート

  • 油圧ポート

  • 通信インターフェース

  • 安全信号

  • 基準座標

  • 許容荷重

モジュール交換後に精密な再調整が不要となるよう、繰返し位置決め精度を確保する必要がある。

交換可能なモジュール

交換可能なモジュールは、次の条件を満たす必要がある。

  • 同一のインターフェース

  • 同一の基準位置

  • 標準コネクタ

  • 明確な識別

  • 迅速な取外し

  • 自動または簡単な設定復元

  • 交換後の機能確認

Inspection and Adjustment — 検査と調整

組立後に、製品の機能とアライメント状態を確認できなければならない。

検査アクセス性

測定器やセンサが検査箇所へアクセスできる必要がある。

例として、次のものがある。

  • 軸振れ測定

  • ベルト張力測定

  • チェーンたるみ測定

  • ガイド平行度測定

  • センサ位置確認

  • シール圧縮量確認

  • 締付けトルク確認

調整箇所の位置

頻繁に調整する項目は、容易にアクセスできる位置へ配置する必要がある。

  • ベルト張力調整

  • チェーン張力調整

  • センサ位置

  • 圧力調整器

  • 流量調整弁

  • 刃物位置

  • ガイドすきま

  • レベリングフット

調整範囲と基準

調整機能では、次の項目を明確にする必要がある。

  • 調整方向

  • 調整範囲

  • 基準目盛

  • ロック方式

  • 推奨設定値

  • 最大・最小限界

調整後のロックが不十分であると、運転中に設定値が変化する可能性がある。

無調整構造

可能な場合には、精密な位置決め構造と標準部品を使用し、現場調整をなくすことが望ましい。

調整箇所を減らすことで、次の効果を得られる。

  • 組立時間の短縮

  • 作業者によるばらつきの低減

  • 再組立安定性の向上

  • 保守の単純化

  • 品質再現性の向上

Maintenance Access — 保守アクセス性

保守アクセス性とは、点検や部品交換が必要な箇所へ、どれだけ迅速かつ安全に到達できるかを示す。

頻繁に整備する部品

次の部品には、優先的にアクセス性を確保する必要がある。

  • フィルタ

  • ベルト

  • チェーン

  • 軸受

  • シール

  • 刃物

  • センサ

  • ヒューズ

  • バッテリ

  • 給油部

  • 消耗品

  • 洗浄対象部

アクセスパネルとカバー

カバーは安全性と衛生性を確保しながら、必要時には容易に開けられなければならない。

主な検討項目は次のとおりである。

  • 開放方向

  • ヒンジ位置

  • 開放角度

  • カバー重量

  • ロック装置

  • キャプティブファスナ

  • ガススプリング

  • 開放状態の保持

  • インターロック

  • 水の浸入防止

完全に取り外さなければならないカバーよりも、ヒンジ式またはスライド式のカバーの方が、保守性に優れる場合がある。

整備空間

カバーを開くことができても、部品を取り出す空間がなければ交換できない。

次の項目を確認する必要がある。

  • モータ取外し空間

  • シャフト取外し空間

  • 軸受プーラ空間

  • フィルタ引出し長さ

  • 電装部品の取外し方向

  • バッテリ交換空間

  • ケーブル曲げ空間

Diagnostics and Fault Isolation — 診断と故障箇所の切り分け

Serviceabilityを向上させるには、故障箇所を迅速に特定できる必要がある。

状態表示

装置は、次のような主要状態を表示できる。

  • 電源状態

  • 運転状態

  • 安全回路状態

  • センサ入力

  • モータ過負荷

  • 圧力

  • 温度

  • 潤滑状態

  • 保守周期

  • 通信状態

故障コード

故障コードは、単なる番号ではなく、原因と対応方法を示すことが望ましい。

有用な情報には、次のものがある。

  • 故障箇所

  • 推定原因

  • 確認項目

  • 復旧手順

  • 必要な交換部品

  • 安全上の注意事項

機能別の故障切り分け

モジュール化されたシステムでは、故障範囲を機能単位で切り分けられる。

  • 駆動モジュール

  • センサモジュール

  • 電源モジュール

  • 制御モジュール

  • 空圧モジュール

  • 安全モジュール

故障範囲を明確に切り分けることで、正常な部品を不必要に交換することを防止できる。

テストポイント

電気および空圧システムには、測定と試験のための専用ポイントを設けることができる。

  • 電圧測定点

  • 圧力測定ポート

  • 通信診断ポート

  • 手動作動機能

  • センサ状態表示

  • テスト端子

テストポイントは、作業者が危険領域へ立ち入らずに使用できなければならない。

Replacement and Reassembly — 交換と再組立

部品交換は、故障部品を取り外すだけで完了するわけではない。新しい部品を取り付けた後、元の機能と精度を復元できなければならない。

交換単位

交換単位は、部品の故障頻度と現場の整備能力に基づいて決定する。

例として、次のものがある。

  • 軸受単体の交換

  • 軸受ハウジングアセンブリの交換

  • モータ単体の交換

  • モータ・減速機モジュールの交換

  • センサ単体の交換

  • センサとブラケットを一体で交換

現場整備時間が重要な場合、個別部品の交換よりもモジュール交換の方が有利になる可能性がある。

繰返し位置の復元

部品交換後に位置が変化すると、長時間の再調整が必要になる。

次の構造によって、繰返し位置を確保できる。

  • ダウエルピン

  • パイロットボス

  • 基準ショルダ

  • 精密取付面

  • キー

  • ストッパ

  • プリセット調整ブロック

設定の復元

電子制御部品の交換後には、パラメータや設定を復元する必要がある場合がある。

有効な方法には、次のものがある。

  • 設定バックアップ

  • パラメータの自動ダウンロード

  • メモリカード

  • モジュール識別コード

  • 標準設定ファイル

  • バージョン管理

  • 交換手順書

交換後の検証

交換後には、次の項目を確認する必要がある。

  • 締結状態

  • アライメント

  • 回転方向

  • 漏れ

  • センサ位置

  • 安全機能

  • 試運転

  • 製品品質

Wiring and Piping Serviceability — 配線と配管の保守性

電気配線および空圧・油圧配管も、機械構造と同様に保守性を考慮して設計する必要がある。

配線経路

配線は、次の条件を満たす必要がある。

  • 経路が明確である。

  • 可動部品と干渉しない。

  • 鋭利なエッジを避けている。

  • 過度な曲げがない。

  • 熱源から分離されている。

  • 水や洗浄液がたまらない。

  • コネクタへ張力が伝わらない。

ケーブル識別

主要ケーブルには、次の識別情報を表示することが望ましい。

  • 回路番号

  • 機器番号

  • 始点と終点

  • 電圧区分

  • 信号種類

  • 安全回路区分

コネクタ

サービス用コネクタでは、次の条件を検討する必要がある。

  • 誤接続を防止するキー構造

  • ロック状態を確認できる。

  • 片手または狭い空間で取り外せる。

  • 防水・防塵性能

  • 繰返し着脱寿命

  • 十分なケーブル余長

配管

空圧・油圧配管には、次の要素が必要である。

  • ポート識別

  • 流れ方向

  • 圧力定格

  • 分離前の残圧除去

  • 漏れ確認

  • 最小曲げ半径

  • 交換空間

  • チューブ長さの標準化

Cleaning and Sanitation — 洗浄と衛生管理

食品機械、医薬品装置、および化粧品設備では、洗浄性がServiceabilityの重要な要素となる。

洗浄のための分解

洗浄のために取り外す部品は、次の条件を満たす必要がある。

  • 短時間で取り外せる。

  • 工具の使用が最小限である。

  • 取扱い可能な重量である。

  • 洗浄中に損傷しにくい。

  • 再組立方向が明確である。

  • 締結部品を紛失しにくい。

  • 再組立後の調整がほとんど不要である。

工具不要の分解

頻繁に取り外す部品には、次の方式を適用できる。

  • クランプ

  • レバー

  • クイックリリースピン

  • ハンドノブ

  • バヨネット結合

  • スプリングラッチ

  • ヒンジ構造

ただし、工具不要の締結方式では、運転中の緩み、衛生性、および安全インターロックも併せて検討する必要がある。

洗浄アクセス性

分解しない部分には、洗浄工具と水がアクセスできなければならない。

次の構造は避ける必要がある。

  • 閉じたすきま

  • 重なった板材

  • 排水されないポケット

  • アクセスできない内側コーナ

  • 露出したねじ山

  • 汚染物が残る締結部

  • 洗浄後に乾燥しない空間

食品接触部

食品接触部では、次の条件を考慮する必要がある。

  • 滑らかな表面

  • 連続溶接

  • すきまの最小化

  • 排水性

  • 耐食性

  • 繰返し分解可能

  • 誤組立防止

  • 表面損傷の防止

Safety During Service — 整備作業時の安全

保守作業では、通常運転時とは異なる危険が発生する。

エネルギー遮断

整備前には、次のエネルギー源を安全に遮断できなければならない。

  • 電気

  • 空圧

  • 油圧

  • 重力

  • ばね

  • 熱

  • 回転慣性

  • 真空

エネルギー遮断装置は明確に識別され、可能であれば施錠できる構造が望ましい。

残留エネルギー

主電源を遮断しても、次のエネルギーが残る可能性がある。

  • 圧縮空気

  • 油圧

  • 充電されたコンデンサ

  • 上昇した部品の位置エネルギー

  • 回転体の慣性

  • 圧縮ばね

  • 高温表面

残留エネルギーを安全に解放するか、機械的に支持できる構造が必要である。

カバーインターロック

安全カバーを開いた状態で整備を行う場合、インターロックと保守モードを検討する必要がある。

保守モードには、次の機能を含めることができる。

  • 制限速度

  • ホールド・ツー・ラン操作

  • ジョグ運転

  • 安全速度監視

  • 選択した軸だけの動作許可

  • 両手操作

  • アクセス権限管理

鋭利な部品と刃物

刃物や切断部品は、取外し、運搬、および保管中も安全でなければならない。

次の対策を適用できる。

  • 保護カバー

  • 専用ハンドル

  • 保管ケース

  • 運搬用治具

  • 手袋を使用できる空間

  • 刃先方向表示

Ergonomics — 人間工学

組立と保守作業では、作業者の身体的負担を考慮する必要がある。

作業高さ

頻繁に行う作業は、適切な高さへ配置することが望ましい。

  • 目の高さ:状態確認

  • 胸の高さ:調整と操作

  • 腰の高さ:部品交換

  • 下部:頻度の低い点検

繰返し作業

生産組立では、繰返し動作を減らす必要がある。

  • 不要な手首の回転

  • 過度な締結回数

  • 長い移動距離

  • 繰返し行う部品方向変更

  • 重い部品の繰返し取扱い

力と重量

次の要素は可能な限り減らすことが望ましい。

  • 大きな挿入力

  • 過度な締付けトルク

  • 重いカバー

  • 片手での支持

  • 精密位置合わせを行いながら持ち上げる作業

必要に応じて、ばね、ガススプリング、カウンターウェイト、またはリフティング補助装置を使用する。

Documentation and Identification — 文書化と識別

優れた構造であっても、組立と保守に関する情報が不足している場合、現場で一貫した作業を行うことは難しい。

組立文書

組立文書には、次の内容を含めることができる。

  • 組立順序

  • 部品番号

  • 締付けトルク

  • 給油位置

  • 調整基準

  • 検査項目

  • 注意事項

  • 必要工具

  • 治具の使用方法

保守文書

保守文書には、次の内容が必要である。

  • 点検周期

  • 交換周期

  • 故障コード

  • 分解順序

  • 部品交換手順

  • エネルギー遮断方法

  • 試運転手順

  • 消耗品一覧

  • 予備部品一覧

部品識別

部品は、現場で容易に識別できなければならない。

  • 部品番号

  • モデル名

  • 方向表示

  • 交換周期

  • 材料

  • 電気定格

  • 圧力定格

  • 安全警告

QRコードやデジタルマニュアルへのリンクを活用することもできる。

組立時間と保守時間

Assemblability & Serviceabilityは、時間を用いて定量的に評価できる。

組立時間

組立時間は、次の要素で構成される。

  • 部品準備

  • 部品取扱い

  • 位置合わせ

  • 挿入

  • 締結

  • 配線

  • 配管

  • 調整

  • 検査

  • 再作業

保守時間

保守時間は、次の段階に分けられる。

  1. 故障を認識する。

  2. 故障箇所を診断する。

  3. 危険エネルギーを遮断する。

  4. カバーを取り外す。

  5. 故障部品へアクセスする。

  6. 部品を取り外す。

  7. 交換または修理する。

  8. システムを再組立する。

  9. 設定を復元する。

  10. 機能を確認する。

  11. 通常運転へ復帰する。

Serviceabilityを改善するには、単純な部品交換時間だけでなく、診断、アクセス、再設定、および検証時間も短縮しなければならない。

MTTRと設計

MTTRは、Mean Time to Repairの略であり、平均修復時間を意味する。

MTTRを短縮する設計要素には、次のものがある。

  • 迅速な診断

  • 容易なアクセス

  • モジュール交換

  • 標準工具

  • キャプティブファスナ

  • 設定の自動復元

  • 明確な文書

  • 簡単な交換後確認

Design for Assembly — 組立を考慮した設計

Design for Assemblyとは、組立工程を単純化し、部品点数、組立時間、および作業ミスを削減する設計手法である。

部品点数の削減

部品点数を削減すると、一般的に次の項目も削減できる。

  • 購入費

  • 在庫

  • 組立時間

  • 検査

  • 締結部品数

  • エラーの可能性

  • 文書管理

部品統合を検討する際には、次の質問を使用できる。

  • この部品は、他の部品に対して相対運動する必要があるか。

  • 異なる材料を使用する必要があるか。

  • 組立または保守のために分離されている必要があるか。

いずれの条件にも該当しない場合には、部品統合を検討できる。

上方からの組立

重力を利用して上から下へ部品を組み立てることで、仮支持と位置ずれを減らすことができる。

標準締結部品

締結部品と工具の種類を減らすことで、組立効率を向上できる。

自己整列

面取り、テーパ、およびパイロット形状によって、挿入と位置決めを容易にする。

調整の削減

組立後の現場調整を減らし、基準面と位置決め構造によってアライメントを確保する。

Design for Service — 保守を考慮した設計

Design for Serviceとは、製品の点検、修理、および部品交換を容易かつ安全に行えるようにする設計手法である。

整備頻度に応じた配置

部品は、整備頻度に応じて異なるアクセス性を設定できる。

  • 日常点検部品:外部から直ちにアクセス可能

  • 定期交換部品:一つのカバーを開いてアクセス可能

  • 低頻度修理部品:一部のモジュールを取り外してアクセス可能

  • 寿命周期交換部品:計画オーバーホール時にアクセス可能

交換可能部品

摩耗や故障が予想される部品は、犠牲部品または交換部品として設計できる。

  • ブッシュ

  • ライナ

  • 摩耗板

  • シール

  • ガイド

  • 刃物

  • チェーンレール

  • フィルタ

予備部品戦略

予備部品の種類を減らし、複数製品で共通部品を使用することで、保守費用を削減できる。

アップグレード可能性

長寿命設備では、次の部品を交換またはアップグレードできることが望ましい。

  • PLC

  • HMI

  • 通信モジュール

  • センサ

  • ドライブ

  • ソフトウェア

  • 安全装置

食品機械におけるAssemblability & Serviceability

食品機械では、一般的な組立性と保守性に加えて、衛生、洗浄、および異物管理の要求を考慮する必要がある。

衛生的な組立

食品接触部の組立構造は、次の条件を満たす必要がある。

  • すきまが最小化されている。

  • 汚染物が隠れた接合部へ侵入しない。

  • 締結部を洗浄できる。

  • ねじ山が食品へ露出していない。

  • ガスケットが正確に位置決めされる。

  • 接触面が損傷しない。

  • 繰返し分解後も密封性が維持される。

迅速な分解と再組立

洗浄のために頻繁に取り外す部品には、次の特性が必要である。

  • 工具不要または最小限の工具で取り外せる。

  • 軽量である。

  • 方向が明確である。

  • 誤組立を防止できる。

  • 締結部品を紛失しにくい。

  • 同じ位置へ繰り返し復元できる。

  • 再調整が不要である。

シールとガスケット

シールは、分解中に損傷したり、誤った方向へ取り付けられたりする可能性がある。

主な検討項目は次のとおりである。

  • シール方向

  • 圧縮率

  • 溝形状

  • ねじれ防止

  • 交換アクセス性

  • 識別

  • 予備品管理

  • 洗浄薬品との適合性

異物混入防止

整備中に、次の部品が食品領域へ落下してはならない。

  • ボルト

  • ワッシャ

  • ばね

  • ピン

  • ケーブルタイ

  • シール片

  • プラスチック片

キャプティブファスナと単純な部品構造が重要である。

洗浄後の乾燥

分解・再組立構造は、洗浄後に水が残らないようにしなければならない。

  • 排水方向

  • 垂直乾燥

  • 重なり面の最小化

  • 開放状態での保管

  • 取外し部品用保管ラック

  • 水たまりの防止

Assemblability & Serviceabilityの評価手順

製品構造を分析する

製品を主要機能と組立単位に分ける。

  • フレーム

  • 駆動系

  • 搬送系

  • 機能系

  • 制御系

  • 安全系

  • カバー

  • ユーティリティ

組立順序を作成する

各部品の組立順序と方向を定義する。

  • 予備組立項目

  • 最終組立項目

  • 工具

  • 治具

  • 作業者数

  • 検査時点

  • 調整時点

組立性を検討する

次の項目を確認する。

  • 部品取扱い

  • 挿入方向

  • 位置決め

  • 工具アクセス

  • 締結部数

  • 誤組立の可能性

  • 作業姿勢

  • 組立時間

保守対象を分類する

部品を、保守頻度と重要度に応じて分類する。

  • 日常点検

  • 定期交換

  • 予防保全

  • 故障修理

  • 寿命終了時交換

保守手順を作成する

故障部品を交換する全工程を確認する。

  • 安全遮断

  • カバー開放

  • 診断

  • 取外し

  • 交換

  • 再組立

  • 設定

  • 検証

デジタルモデルを検討する

3D CAD上で、次の項目を確認する。

  • 組立経路

  • 分解経路

  • 工具空間

  • 手のアクセス

  • 部品引出し空間

  • カバー開放

  • 干渉

  • 作業姿勢

試作品を組み立てる

試作品の実組立によって、次の項目を測定する。

  • 組立時間

  • 工具交換回数

  • 締結部品数

  • 作業者数

  • 作業ミス

  • 再作業

  • 部品損傷

保守試験を実施する

次のような代表部品を実際に交換する。

  • フィルタ

  • ベルト

  • 軸受

  • モータ

  • センサ

  • 刃物

  • シール

保守時間と作業難易度を記録し、設計へ反映する。

文書と標準を確定する

最終的に、次の資料を作成する。

  • 組立図

  • 分解図

  • 作業標準書

  • 締付けトルク表

  • 検査基準書

  • 保守マニュアル

  • 予備部品一覧

  • 故障診断表

  • 安全手順

主な不具合形態

Assemblability & Serviceabilityが十分に検討されていない場合、次の問題が発生する可能性がある。

組立順序の競合

先に取り付けた部品が、後から取り付ける部品の挿入や締結を妨げる。

締結部へのアクセス不能

ボルトは見えるが、レンチ、ソケット、またはトルク工具を使用できない。

位置決め不良

ボルト穴のすきまに依存し、組み立てるたびに部品位置が変化する。

過度な調整

組立後に多くのシムと手動調整を必要とする。

誤組立

左右部品、コネクタ、シール、またはセンサが誤った方向に取り付けられる。

締結部品の紛失

分解中にボルトやワッシャが装置内部または製品領域へ落下する。

保守アクセス不良

一つの消耗部品を交換するために、複数のモジュールとカバーを分解しなければならない。

修理時間の増加

故障箇所の特定に多くの時間がかかり、交換後の再設定も複雑である。

繰返し位置決め不良

再組立後に、アライメントと品質が元の状態へ復元されない。

誤配線

類似したコネクタやチューブを誤接続し、装置が誤作動する。

衛生上の問題

分解できないすきまやアクセス不能な内部領域に汚染物が蓄積する。

作業者安全上の問題

保守時に残圧、重力、ばね、または回転エネルギーが残り、事故が発生する。

Assemblability & Serviceability検討チェックリスト

Assembly Architecture — 組立構造

  • 製品が合理的なサブアセンブリに分割されているか。

  • 組立基準となるフレームと基準面が明確か。

  • 機能上不要なインターフェースが最小化されているか。

  • 各モジュールを単独で検査できるか。

Assembly Sequence — 組立順序

  • 組立順序が明確に定義されているか。

  • 予備組立と最終組立が区別されているか。

  • 先に組み立てた部品が次の作業を妨げないか。

  • 組立方向が可能な限り単純か。

  • 組立体を繰り返し反転する必要がないか。

Part Handling — 部品取扱い

  • 部品を容易につかめるか。

  • 部品の方向を容易に識別できるか。

  • 鋭利な部分や変形しやすい部分が保護されているか。

  • 重量部品を安全に吊り上げ、仮支持できるか。

  • 部品落下の危険が低いか。

Locating and Alignment — 位置決めとアライメント

  • 精密位置決めをボルトだけに依存していないか。

  • 基準面、ダウエルピン、またはパイロット構造があるか。

  • 自己整列のための面取りとテーパが適用されているか。

  • 重複拘束がないか。

  • 繰返し分解後も同一位置へ復元できるか。

Fastening — 締結

  • 締結部品の種類とサイズが標準化されているか。

  • 工具の使用方向が統一されているか。

  • 片側から締結できるか。

  • 締付けトルクが定義されているか。

  • 振動による緩みが防止されているか。

  • 頻繁に取り外す締結部品がキャプティブ構造になっているか。

Accessibility — アクセス性

  • すべての組立箇所へ手と工具がアクセスできるか。

  • トルクレンチやプーラを使用できる空間があるか。

  • 部品を実際に取り出す空間があるか。

  • 作業姿勢が安全かつ人間工学的に適切か。

  • 手袋を着用した状態でも作業できるか。

Mistake-Proofing — 誤組立防止

  • 部品を誤った方向に組み立てにくいか。

  • 類似したコネクタと配管を区別できるか。

  • 左右部品が明確に識別されているか。

  • 組立順序の間違いが構造的に防止されているか。

  • 視覚表示が損傷しても重大な誤組立を防止できるか。

Service Access — 整備アクセス

  • 頻繁に点検する部品が見やすいか。

  • 消耗品や故障頻度の高い部品へ迅速にアクセスできるか。

  • カバーを安全かつ容易に開けられるか。

  • 保守のために正常な部品を不必要に分解しなくてよいか。

  • 交換部品を取り出すための十分な空間があるか。

Diagnostics — 診断

  • 故障状態と故障箇所を容易に確認できるか。

  • 故障コードが原因と対応方法を示しているか。

  • 電気と空圧の測定用テストポイントがあるか。

  • 機能単位で故障を切り分けられるか。

  • 保守周期と消耗品状態を確認できるか。

Replacement and Reassembly — 交換と再組立

  • 交換単位が合理的に定義されているか。

  • 部品交換後に位置を自動的に復元できるか。

  • 設定とパラメータを容易に復元できるか。

  • 交換後の検証手順が定義されているか。

  • シールや締結部品を再使用できるかが明確か。

Wiring and Piping — 配線と配管

  • 配線と配管の経路が明確か。

  • すべてのケーブルとチューブが識別されているか。

  • 誤接続を防止するコネクタが使用されているか。

  • 繰返し取外しと再接続が可能か。

  • 残圧を安全に除去できるか。

  • ケーブルやチューブを交換する空間があるか。

Cleaning and Hygiene — 洗浄と衛生

  • 洗浄対象部品を迅速に取り外せるか。

  • 分解に必要な工具が最小限か。

  • 締結部品が製品領域へ落下しないか。

  • すべての表面へ洗浄工具と水が到達できるか。

  • 洗浄後に水が完全に排出され、乾燥するか。

  • 再組立時にシールと接触面が正確に復元されるか。

Safety — 安全

  • すべての危険エネルギー源を遮断できるか。

  • 残留圧力と位置エネルギーを安全に除去できるか。

  • 整備中に部品が落下または移動しないか。

  • 鋭利な部品の取扱い方法が定義されているか。

  • 保守モードで安全な制限動作が可能か。

  • エネルギー遮断箇所が明確に識別されているか。

Documentation — 文書

  • 組立順序と締付けトルクが文書化されているか。

  • 保守周期と交換部品が定義されているか。

  • 部品番号と接続情報を現場で識別できるか。

  • 故障診断と復旧手順が提供されているか。

  • 最新の図面とソフトウェアバージョンが管理されているか。

結論

Assemblability & Serviceabilityは、製品を組み立てやすくし、故障時に修理しやすくするための単なる利便性条件ではない。生産品質、組立時間、保守費用、停止時間、安全性、衛生性、およびライフサイクル総費用を決定する中核的な設計分野である。

組立性と保守性に優れた設計は、次の条件を満たす必要がある。

  • 部品とモジュールの関係が明確である。

  • 組立順序と方向が単純である。

  • 部品を容易に取り扱い、正しく配置できる。

  • 過度な調整を行わずに正確な位置決めができる。

  • 締結部品と工具が標準化されている。

  • 手と工具がすべての作業箇所へアクセスできる。

  • 誤組立と誤接続が構造的に防止されている。

  • 組立後に機能と品質を検査できる。

  • 頻繁に整備する部品へ迅速にアクセスできる。

  • 故障箇所を短時間で診断できる。

  • 故障した部品またはモジュールだけを交換できる。

  • 分解後も元の位置と性能を復元できる。

  • 洗浄と衛生管理が容易である。

  • 整備中に危険エネルギーを安全に遮断できる。

  • 組立と保守手順が明確に文書化されている。

機械設計において、組立と保守は、設計完了後に製造現場や使用現場で解決すべき問題ではない。締結方式、基準、カバー、モジュール、配線、配管、および部品配置を決定する時点で、組立時間と整備時間の大部分はすでに決まっている。

一度組み立てられる製品が、必ずしも優れた製品とは限らない。優れた製品は、生産現場で同一品質により繰り返し組み立てることができ、使用現場では必要な部品を迅速かつ安全に点検・交換した後、元の性能へ復元できなければならない。

最終的に、Assemblability & Serviceabilityの品質は、単に部品を結合または分離できるかではなく、製品を正確かつ繰り返し組み立てることができ、使用期間全体を通じて安全かつ効率的に維持できるかによって決まる。