汎用機械における検査および機能検証

汎用機械における検査および機能検証

1. Inspection and Functional Verificationの定義

Inspection and Functional Verificationとは、機械またはアセンブリが、設計図面、仕様書、品質基準および安全要求事項に従って正しく製作・組み立てられていることを確認し、実際の運転条件において要求された機能と性能を発揮することを検証する品質保証領域である。

Inspectionでは、主に次の項目を確認する。

  • 寸法

  • 幾何形状

  • 外観

  • 組立状態

  • 配線状態

  • 配管状態

  • 部品仕様

  • 締結状態

  • 文書との整合性

Functional Verificationでは、次の項目を確認する。

  • 機械が意図された順序で動作するか

  • センサとアクチュエータが正しく対応しているか

  • 位置、速度、圧力および温度が要求範囲内にあるか

  • 安全機能が正常に作動するか

  • 故障および異常状態を正しく検出するか

  • 繰返し運転においても性能が安定しているか

この領域の核心は、次のとおりである。

製作された機械が図面上で完成しているだけでなく、実際の機能と性能を客観的な証拠によって立証することである。

2. 検査および機能検証の目的

Inspection and Functional Verificationの目的は、単に不良を発見することではない。

次の目的を持つ。

  • 設計意図の確認

  • 製作品質の確認

  • 組立ミスの検出

  • 安全性の確認

  • 機能完成度の検証

  • 性能水準の確認

  • 出荷可否の判断

  • 顧客受入れの準備

  • 保守基準の確立

  • 品質履歴の保存

検査は品質問題を発見する活動であると同時に、次工程へ進めるかどうかを判断する承認手続でもある。

3. Inspection、Verification、Validationの区分

Inspection

製品またはアセンブリが、定められた要求事項に適合しているかを確認する。

主な対象:

  • 寸法

  • 幾何形状

  • 外観

  • 組立状態

  • 部品仕様

  • ラベル

  • 配線

  • 配管

Verification

設計成果物が定義された要求事項を満たしているかを確認する。

代表的な確認事項:

  • 図面どおりに製作されているか

  • 仕様書の要求事項が反映されているか

  • 安全回路が設計どおりに構成されているか

Validation

実際の使用目的と運転環境において、要求された機能を遂行できるかを確認する。

代表的な確認事項:

  • 実際の製品を安定して処理できるか

  • 設置現場で要求される生産性を満たすか

  • 作業者が安全かつ容易に使用できるか

4. 検査体系の基本構造

検査体系は、一般的に次の段階で構成される。

  1. 受入検査

  2. 加工検査

  3. サブアセンブリ検査

  4. 工程内検査

  5. 最終組立検査

  6. 静的機能検査

  7. 動的機能検査

  8. 安全機能検査

  9. 性能検証

  10. 出荷前検査

  11. 現地受入検査

各段階の検査範囲と責任を明確に定義する必要がある。

5. 検査計画

検査計画では、何を、いつ、どのように、誰が検査するかを定義する。

主な項目:

  • 検査対象

  • 検査段階

  • 検査特性

  • 測定方法

  • 測定機器

  • サンプリング方法

  • 合否基準

  • 判定方法

  • 記録方法

  • 承認権限

検査計画は、設計審査段階から準備することが望ましい。

6. Critical Characteristics

すべての項目を同じ水準で検査する必要はない。

機能と安全へ大きな影響を与える項目は、Critical Characteristicsとして指定できる。

例:

  • スピンドル振れ

  • リニアガイドの平行度

  • ボールねじの軸アライメント

  • 安全回路の応答

  • 圧力容器の漏れ

  • 電気絶縁

  • 非常停止

  • 製品位置決め精度

  • 締付トルク

  • 上限温度

重要特性については、より厳格な検査と詳細な記録が必要である。

7. 検査基準の出典

検査基準は、次の文書から導出される。

  • 設計図面

  • 部品図

  • 組立図

  • 仕様書

  • 顧客要求事項

  • 品質計画書

  • 検査規格

  • 安全要求事項

  • 購入仕様書

  • メーカー取扱説明書

  • 試験手順書

複数の文書に記載された基準が相互に矛盾していないことを確認する必要がある。

8. 受入検査

受入検査では、外部から供給された部品と材料が要求仕様に適合していることを確認する。

検査項目:

  • 数量

  • 型式

  • 材質

  • 寸法

  • 外観

  • 表面処理

  • 証明書

  • 検査成績書

  • 電圧

  • 圧力定格

  • ポート仕様

受入段階で誤りを検出できない場合、組立後半で大きな手直しが発生する可能性がある。

9. 供給業者文書の確認

購入品および外注品については、次の文書を確認できる。

  • 材料証明書

  • 熱処理証明書

  • めっき証明書

  • 溶接記録

  • 検査成績書

  • 校正証明書

  • 認証書

  • 出荷検査表

文書が存在するだけで実際の品質が自動的に保証されるわけではないため、必要に応じて現品検査を併用する。

10. 外観検査

外観検査では、目視で確認可能な異常を検出する。

検査項目:

  • 傷

  • 打痕

  • 亀裂

  • 変形

  • さび

  • 汚染

  • 塗装不良

  • めっき不良

  • ラベル損傷

  • 取付方向の誤り

  • 部品欠品

機能へ影響しない外観上の問題と、性能へ直接影響する損傷を区別する必要がある。

11. 寸法検査

寸法検査では、部品およびアセンブリの大きさと位置が、指定公差内にあることを確認する。

主な検査項目:

  • 長さ

  • 幅

  • 高さ

  • 直径

  • 穴間距離

  • 深さ

  • 軸間距離

  • 基準面からの距離

  • 組立高さ

代表的な測定機器:

  • ノギス

  • マイクロメータ

  • ハイトゲージ

  • シリンダゲージ

  • デプスゲージ

  • 三次元測定機

  • レーザー測定器

12. 幾何形状および幾何公差検査

幾何検査では、部品の幾何学的状態を確認する。

主な検査特性:

  • 平面度

  • 真直度

  • 平行度

  • 直角度

  • 同心度

  • 円筒度

  • 円周振れ

  • 全振れ

  • 位置度

幾何公差は、機能基準と関連付けて検査する必要がある。

13. 組立寸法検査

個々の部品寸法が良好でも、組立後の寸法が要求値から外れる場合がある。

主な検査対象:

  • モジュール間距離

  • 軸中心高さ

  • ガイド間隔

  • センサ位置

  • 製品基準位置

  • カバーすきま

  • アクチュエータストローク

  • 作業高さ

最終的な機能点における寸法を確認することが重要である。

14. データムと測定座標系

検査結果は、明確に定義された基準から測定しなければならない。

必要となる基準:

  • Master Datum

  • 基準面

  • 基準軸

  • 原点

  • 機械座標系

  • 製品座標系

検査基準と組立基準が異なる場合、結果の解釈が困難になる可能性がある。

15. 測定機器の管理

検査に使用する測定機器は、適切に管理する必要がある。

管理項目:

  • 校正状態

  • 校正周期

  • 測定範囲

  • 分解能

  • 精度

  • 環境条件

  • 保管状態

  • 使用前点検

校正期限を過ぎた測定機器を、正式な検査へ使用してはならない。

16. Measurement System Analysis

測定システム自体の信頼性を確認する必要がある。

主な評価項目:

  • 繰返し性

  • 再現性

  • 偏り

  • 直線性

  • 安定性

  • 測定不確かさ

同じ部品を測定した際に、作業者や測定機器によって結果が大きく異なる場合は、検査システムを改善する必要がある。

17. 抜取検査と全数検査

検査範囲は、重要度と生産形態に応じて決定する。

全数検査

主な適用例:

  • 安全機能

  • 重要締結部

  • 顧客仕様の一品製作機械

  • 漏れ試験

  • 電気絶縁

  • 非常停止

抜取検査

主な適用例:

  • 繰返し生産部品

  • 品質が安定した供給業者

  • 重要度の低い外観項目

  • 大量生産品

リスクの高い項目には、抜取検査よりも全数検査が適している。

18. 工程内検査

工程内検査は、不良が次工程へ流出することを防止する。

検査項目:

  • 基準面状態

  • 組立方向

  • 位置決め

  • 締付トルク

  • 予圧

  • 線番

  • チューブ番号

  • 潤滑状態

  • アライメント値

  • 中間寸法

19. Hold PointとWitness Point

Hold Point

承認なしに次工程へ進むことができない検査点である。

例:

  • フレームアライメント完了

  • リニアガイドアライメント完了

  • 安全回路検査

  • 圧力試験

  • 最終電源投入前検査

Witness Point

指定された関係者が検査へ立ち会うことのできる検査点である。

ただし、定められた条件の下では、立会者が不在でも工程を進めることができる。

20. 組立状態検査

最終組立の前後に、次の項目を確認する。

  • 部品欠品

  • 誤った部品

  • 取付方向

  • 組立順序

  • 干渉

  • カバー状態

  • ガード状態

  • 調整機構

  • ケーブル固定

  • チューブ固定

21. 締結検査

締結部では、次の項目を検査する。

  • ボルト仕様

  • ボルト長さ

  • ワッシャの有無

  • 締付トルク

  • 締付順序

  • 緩み止め

  • 完了マーキング

  • ねじ山損傷

  • ボルト突出し長さ

重要締結部については、トルク記録と使用工具番号を残すことができる。

22. 溶接検査

溶接部は、構造的健全性を確認する必要がある。

検査項目:

  • 溶接長さ

  • 溶接サイズ

  • ビード形状

  • アンダーカット

  • オーバーラップ

  • ブローホール

  • 亀裂

  • 変形

  • 溶接欠落

必要に応じて、次の非破壊検査を使用する。

  • 浸透探傷試験

  • 磁粉探傷試験

  • 超音波探傷試験

  • 放射線透過試験

23. 接着およびシール検査

接着部およびシール部では、次の項目を確認する。

  • 表面前処理

  • 接着剤の種類

  • 塗布量

  • 塗布範囲

  • 硬化時間

  • 硬化温度

  • 接合すきま

  • 塗布欠落

  • 気泡

  • 漏れ

接着部の内部接合状態は、外観検査だけでは完全に判断できない場合がある。

24. 圧入検査

圧入部では、次の項目を確認する。

  • 圧入方向

  • 圧入深さ

  • 最終位置

  • 圧入力

  • 変位

  • 亀裂

  • 傾き

  • 回転抵抗

  • 引抜き力

サーボプレスを使用する場合は、荷重・変位曲線を記録できる。

25. 精密組立検査

精密機械の組立では、次の項目を検査する。

  • 水平度

  • 真直度

  • 平行度

  • 直角度

  • 同心度

  • 軸振れ

  • バックラッシ

  • 予圧

  • 運動抵抗

  • 繰返し精度

本締結後に、再度測定する必要がある。

26. リニアガイド検査

リニアガイドでは、次の項目を確認する。

  • 基準レールの真直度

  • 補助レールの平行度

  • レール間の高さ差

  • 締付トルク

  • ブロックの動き

  • 運動抵抗

  • 局部的な引っ掛かり

  • 潤滑状態

27. ボールねじ検査

ボールねじの主な検査対象:

  • ガイド系との平行度

  • 固定側のアライメント

  • 支持側のアライメント

  • ナットハウジング位置

  • 軸方向すきま

  • 回転トルク

  • カップリングアライメント

  • 騒音

  • 発熱

28. ベアリングおよびスピンドル検査

主な検査項目:

  • ベアリングの方向

  • はめあい

  • 予圧

  • 潤滑

  • 軸方向位置

  • 回転トルク

  • ラジアル振れ

  • アキシアル振れ

  • 温度上昇

  • 振動

29. 電気検査

電気検査では、次の項目を確認する。

  • 誤配線

  • 逆極性

  • 短絡

  • 断線

  • 接地

  • 端子締付け

  • 圧着状態

  • ラベル

  • ケーブル損傷

  • シールド処理

30. Point-to-Point Test

Point-to-Point Testでは、電気配線の始点と終点を確認する。

検査項目:

  • 導通

  • 短絡

  • 地絡

  • 線番

  • 端子番号

  • コネクタピン

  • I/Oアドレス

  • ケーブル両端

31. 絶縁および接地検査

電気安全検査には、次の項目を含めることができる。

  • 絶縁抵抗

  • 保護接地導通

  • 漏れ電流

  • 耐電圧

  • 極性

  • 相順

試験条件は、製品仕様と適用規格に従って設定する。

32. 制御盤検査

制御盤では、次の項目を検査する。

  • 機器配置

  • 配線ダクト

  • DINレール

  • 端子台

  • 接地バー

  • ファン

  • フィルタ

  • 機器間隔

  • ラベル

  • ドア接地

  • 予備スペース

33. 空圧検査

空圧アセンブリでは、次の項目を確認する。

  • チューブ配管

  • バルブポート

  • レギュレータ設定

  • 圧力計

  • スピードコントローラの方向

  • 継手の締結

  • 残圧排出

  • チューブの折れ

  • 排気

  • ラベル

34. 漏れ検査

漏れ検査は、空圧、真空および流体系へ適用できる。

主な方法:

  • 圧力保持試験

  • 流量低下測定

  • 発泡液による検査

  • 超音波漏れ検査

  • ヘリウムリーク試験

  • 真空保持試験

許容漏れ率と試験時間を明確に定義する必要がある。

35. I/Oチェック

I/Oチェックでは、センサとアクチュエータがプログラム上のアドレスと正しく対応していることを確認する。

入力確認

  • センサ動作

  • アドレス

  • 論理

  • 極性

  • 検出位置

出力確認

  • バルブ

  • リレー

  • 表示灯

  • モータ

  • ヒータ

  • ブザー

36. 機能検証の基本構造

機能検証は、一般的に次の順序で実施する。

  1. 静止状態の確認

  2. 電源投入

  3. 通信確認

  4. I/O確認

  5. 個別アクチュエータ試験

  6. 手動運転試験

  7. 自動シーケンス試験

  8. 安全機能試験

  9. 異常状態試験

  10. 繰返し運転試験

  11. 性能検証

  12. 最終承認

37. 電源投入前検査

電源投入前に、次の項目を確認する。

  • 主電源電圧

  • 相順

  • DC電源の極性

  • 遮断器定格

  • 短絡の有無

  • 接地

  • ドライブ配線

  • バルブコイル電圧

  • 非常停止状態

  • 可動部の機械的干渉

38. 段階的な電源投入

安全のため、電源は段階的に投入する。

例:

  1. 主電源を確認する。

  2. 制御電源を投入する。

  3. PLCを起動する。

  4. HMIを確認する。

  5. 通信を確認する。

  6. I/O電源を投入する。

  7. ドライブ電源を投入する。

  8. 圧縮空気を供給する。

  9. アクチュエータを試験する。

39. 手動運転機能検証

手動運転では、各アクチュエータを個別に確認する。

検査項目:

  • 動作方向

  • 速度

  • ストローク

  • センサ位置

  • 干渉

  • モータ回転方向

  • シリンダクッション

  • 原点位置

  • リミット位置

  • 停止機能

40. 自動運転機能検証

自動運転では、全体の動作シーケンスを確認する。

検査項目:

  • 起動条件

  • 製品検出

  • クランプ

  • 移動

  • 工程動作

  • 完了信号

  • 排出

  • 繰返し動作

  • 停止条件

  • タイムアウト

41. シーケンス検証

シーケンス検証では、各動作段階の論理的な接続を確認する。

検討項目:

  • 前工程の完了条件

  • 次工程への移行条件

  • 並列動作

  • 相互排他

  • 動作時間

  • タイムアウト

  • 中断条件

  • 再起動条件

42. インターロック検証

インターロックは、危険な動作や成立しない動作を防止する。

検証例:

  • ドア開放時は自動運転を禁止する。

  • クランプ完了前は軸移動を禁止する。

  • 圧力不足時はシリンダ動作を禁止する。

  • 製品がない場合は工程開始を禁止する。

  • 原点復帰前は自動運転を禁止する。

  • カバー未装着時は駆動を禁止する。

43. 安全機能検証

安全機能は、通常制御とは分離して検証する必要がある。

検査項目:

  • 非常停止

  • ドアインターロック

  • ライトカーテン

  • セーフティマット

  • セーフティリレー

  • セーフティPLC

  • STO

  • 電磁接触器フィードバック

  • 再起動防止

44. 非常停止検証

非常停止試験では、次の項目を確認する。

  • すべての非常停止ボタンが作動するか

  • 危険動作が停止するか

  • 動力が遮断されるか

  • 空圧残圧が適切に処理されるか

  • 重力軸の安全性が確保されるか

  • リセット操作が要求されるか

  • 自動再起動が防止されるか

  • 警告表示が行われるか

45. Fault Simulation

異常状態を意図的に発生させ、システムの応答を確認する。

例:

  • センサ断線

  • 圧力低下

  • 通信断

  • モータアラーム

  • 過昇温

  • 製品詰まり

  • ドア開放

  • 瞬時停電

  • 非常停止

  • 原点センサ異常

46. アラーム検証

アラームは異常状態を表示するだけでなく、原因と復旧方法を提供する必要がある。

検査項目:

  • アラーム発生条件

  • アラーム番号

  • アラームメッセージ

  • 異常発生位置

  • 現在状態

  • 復旧方法

  • リセット条件

  • 履歴記録

47. 復旧動作検証

機械が中断した後、安全に復旧できることを確認する必要がある。

検討項目:

  • 中断位置

  • 製品状態

  • 軸位置

  • クランプ状態

  • 残留エネルギー

  • 手動復旧

  • 自動復旧

  • 再起動条件

  • 二重処理の防止

48. 位置決め精度検証

位置制御機械では、次の項目を検証する。

  • 絶対位置決め精度

  • 繰返し精度

  • 反転誤差

  • バックラッシ

  • オーバーシュート

  • 整定安定性

  • 長距離移動誤差

  • 位置ごとの偏差

必要に応じて、レーザー干渉計、エンコーダまたは外部測定機器を使用する。

49. 速度および加速度検証

運動軸では、次の項目を検証する。

  • 最大速度

  • 定速性能

  • 加速時間

  • 減速時間

  • 速度変動

  • 停止距離

  • 振動

  • モータ負荷

50. 圧力および流量検証

空圧、油圧および流体系では、次の項目を検証する。

  • 供給圧力

  • 使用圧力

  • 圧力変動

  • 最低圧力

  • 最高圧力

  • 流量

  • 応答時間

  • 圧力降下

51. 温度機能検証

加熱・冷却システムでは、次の項目を確認する。

  • 目標温度

  • 昇温時間

  • 冷却時間

  • オーバーシュート

  • 温度均一性

  • 制御安定性

  • センサ精度

  • 過昇温保護

  • 熱変位

52. 力およびトルク検証

圧入、クランプ、締結および駆動機能では、力とトルクを検証できる。

検査項目:

  • 最大力

  • 最小力

  • 保持力

  • クランプ力

  • 圧入力

  • 駆動トルク

  • 締付トルク

  • 過負荷保護

53. 振動および騒音検証

機械運転中の振動と騒音は、組立状態と機械性能を示す。

検査項目:

  • 総合振動値

  • 特定周波数成分

  • 共振

  • ベアリング振動

  • モータ振動

  • 構造振動

  • 騒音レベル

  • 異音

54. 熱安定性検証

長時間運転後も、機械精度と性能が安定していることを確認する。

検査項目:

  • モータ温度

  • ベアリング温度

  • 制御盤温度

  • フレーム温度

  • 位置ドリフト

  • 熱変位

  • 繰返し精度の変化

  • ウォームアップ時間

55. 繰返し運転試験

繰返し運転試験では、機能安定性と間欠的な不良を確認する。

検討項目:

  • サイクル数

  • 連続運転時間

  • 停止回数

  • 再起動動作

  • センサの繰返し性

  • 製品検出漏れ

  • 温度上昇

  • アラーム発生

  • 位置変化

56. Endurance Test

Endurance Testでは、長時間運転における耐久性と安定性を確認する。

主な試験対象:

  • ベアリング

  • ガイド

  • シリンダ

  • バルブ

  • モータ

  • ケーブルベア

  • センサ

  • 真空パッド

  • 締結部

試験条件:

  • 速度

  • 荷重

  • サイクル数

  • 温度

  • 圧力

  • 運転時間

57. 生産性検証

生産設備は、要求された生産能力を満たす必要がある。

検査項目:

  • サイクルタイム

  • スループット

  • 設備稼働率

  • 製品切替時間

  • 停止時間

  • 手直し率

  • 不良率

  • ボトルネック工程

58. 製品品質検証

機械機能は、最終製品の品質によっても検証する必要がある。

検査項目:

  • 製品寸法

  • 外観

  • 位置精度

  • 組立強度

  • 漏れ

  • 加工品質

  • 繰返し性

  • 工程能力

59. 実製品とDummy Product

機能検証では、実製品または試験用Dummy Productを使用できる。

Dummy Product

主な利点:

  • 安全性

  • 繰返し使用可能

  • センサ調整への利用

  • 初期試験への利用

実製品

主な目的:

  • 最終機能確認

  • 実工程の検証

  • 製品品質の確認

  • 顧客受入れ

60. 境界条件の検証

通常条件だけでなく、境界条件においても機能を検証する必要がある。

例:

  • 最小製品

  • 最大製品

  • 最低圧力

  • 最高圧力

  • 低温

  • 高温

  • 低速

  • 高速

  • 最小荷重

  • 最大荷重

61. Worst-Case Test

Worst-Case Testでは、最も不利な条件においても機能が維持されることを確認する。

条件の組合せ例:

  • 最大荷重と最大速度

  • 最低圧力と最大摩擦

  • 高温と長時間運転

  • 最低電圧と最大負荷

  • 公差限界品と繰返し運転

62. ソフトウェアおよびパラメータ検証

制御ソフトウェアと設定値も検証対象である。

検査項目:

  • PLCプログラムバージョン

  • HMIバージョン

  • サーボパラメータ

  • インバータパラメータ

  • ネットワークアドレス

  • レシピ

  • ユーザー権限

  • バックアップ

  • 復旧ファイル

63. ユーザーインターフェース検証

HMIと操作機器は、作業者が理解しやすく、容易に使用できる必要がある。

検査項目:

  • 画面構成

  • ボタン動作

  • 状態表示

  • アラーム表示

  • 言語

  • 単位

  • 操作権限

  • 誤入力防止

  • 画面遷移

  • データ記録

64. 保守機能検証

機械が意図どおりに保守可能であることを確認する。

検査項目:

  • アクセス性

  • カバー取外し

  • 部品交換

  • ケーブル切離し

  • チューブ切離し

  • 潤滑

  • フィルタ交換

  • センサ調整

  • 基準位置の復元

  • 再組立性

65. 保護カバーおよびガード検証

ガードとカバーは、危険領域へのアクセスを防止する必要がある。

検査項目:

  • 固定状態

  • すきま

  • 開口部

  • インターロック

  • 剛性

  • 視認性

  • 取外しに必要な工具

  • 保守アクセス

  • 警告ラベル

66. Human Factors Verification

作業者の使いやすさと安全性も、機能検証へ含めることができる。

検討項目:

  • 作業高さ

  • 到達距離

  • 視認性

  • 操作力

  • 作業姿勢

  • 製品投入

  • 製品排出

  • 警告の認識性

  • 非常停止へのアクセス

  • 保守作業姿勢

67. 検査結果の判定

検査結果は、明確な基準に従って判定する。

代表的な判定区分:

  • 合格

  • 条件付き合格

  • 手直し

  • 修理

  • 特別採用

  • 廃棄

  • 再検査

判定権限と承認手順を定義する必要がある。

68. Nonconformance管理

不適合が発見された場合、次の項目を記録する。

  • 不適合位置

  • 不適合内容

  • 要求基準

  • 実測値

  • 発見工程

  • 原因

  • 暫定処置

  • 最終是正処置

  • 再検査結果

69. 手直しと再検査

手直し後は、影響を受けたすべての項目を再検査する必要がある。

例:

  • ガイド再調整後の平行度再検査

  • 配線修正後のPoint-to-Point Test

  • 溶接補修後の外観および非破壊検査

  • 圧入手直し後の位置および引抜き力検査

  • プログラム修正後の機能再試験

70. Root Cause Analysis

繰り返し発生する不良には、根本原因分析が必要である。

主な分析対象:

  • 設計

  • 部品公差

  • 組立順序

  • 作業標準

  • 測定方法

  • 工具

  • 環境

  • 作業者教育

  • 供給業者

  • ソフトウェア

71. 検査記録

検査記録には、次の項目を含めることができる。

  • 機械番号

  • 部品番号

  • 組立番号

  • 検査日

  • 検査者

  • 測定機器

  • 校正番号

  • 測定値

  • 許容値

  • 判定

  • 備考

  • 承認者

72. 機能検証記録

機能検証記録には、次の項目を含める。

  • 試験項目

  • 試験条件

  • 入力状態

  • 出力結果

  • 測定値

  • 期待結果

  • 実際の結果

  • 判定

  • アラーム

  • 復旧結果

73. Traceability

トレーサビリティにより、問題発生時に関連部品と工程を特定できるようにする。

主な追跡項目:

  • 部品ロット

  • シリアル番号

  • 作業者

  • 使用工具

  • プログラムバージョン

  • パラメータ

  • 検査結果

  • 手直し履歴

  • 出荷日

  • 顧客設置情報

74. FAT

Factory Acceptance Testは、出荷前に製作工場で実施する受入試験である。

主な確認項目:

  • 外観

  • 寸法

  • 機能

  • 安全

  • シーケンス

  • 生産性

  • 製品品質

  • 文書

  • オプション

  • 顧客要求事項

75. SAT

Site Acceptance Testは、顧客現場への設置後に実施する受入試験である。

主な確認項目:

  • 据付状態

  • 電源

  • 空圧供給

  • 通信

  • 水平度

  • 現地インターフェース

  • 実製品

  • 生産条件

  • 安全

  • 教育

76. FATとSATの違い

区分

FAT

SAT

実施場所

製作工場

顧客現場

目的

出荷前の完成度確認

据付後の運転可能性確認

条件

管理された試験環境

実際の設置環境

製品

ダミーまたはサンプル製品

実製品

インターフェース

一部を模擬可能

実設備と接続

結果

出荷承認

最終受入れ

77. 出荷前検査

出荷前に、次の項目を確認する。

  • 機能試験が完了しているか

  • 安全検査が完了しているか

  • アラームが解消されているか

  • 締結マーキングが完了しているか

  • 潤滑が完了しているか

  • 可動部が固定されているか

  • 保護包装が適切か

  • 付属品がそろっているか

  • 予備品がそろっているか

  • 文書がそろっているか

  • プログラムのバックアップがあるか

78. 輸送前検証

輸送中の損傷を防止するため、次の項目を確認する。

  • 可動部の固定

  • 軸ブレーキ

  • 精密部品の保護

  • ケーブルの固定

  • チューブの保護

  • センサの保護

  • 防錆

  • 防湿

  • 重心

  • 吊上げ位置

79. 現地据付け後の再検査

現地据付け後に、次の項目を再確認する。

  • ベースレベル

  • フレーム変形

  • 軸アライメント

  • 電源電圧

  • 接地

  • 空圧供給圧力

  • 通信

  • 安全回路

  • 位置決め精度

  • 機能シーケンス

80. 顧客受入れ文書

顧客受入れ時には、次の文書を提供できる。

  • FAT Report

  • SAT Report

  • 検査成績書

  • 電気回路図

  • 空圧回路図

  • I/O List

  • 取扱説明書

  • 部品リスト

  • 予備品リスト

  • プログラムバックアップ

  • 校正記録

  • 保守計画

81. 主な設計・品質成果物

成果物

目的

Inspection Plan

全体の検査計画を定義する

Quality Control Plan

工程ごとの品質管理項目を定義する

Incoming Inspection Standard

受入検査基準を定義する

In-Process Inspection Sheet

工程内検査結果を記録する

Final Inspection Checklist

最終組立検査基準を定義する

Functional Verification Plan

機能検証の範囲と方法を定義する

Safety Validation Plan

安全機能の検証方法を定義する

I/O Check Sheet

入出力検証結果を記録する

Leak Test Procedure

漏れ試験条件と合否基準を定義する

Performance Test Plan

性能検証項目を定義する

Endurance Test Plan

耐久試験条件を定義する

FAT Protocol

工場受入試験手順を定義する

SAT Protocol

現地受入試験手順を定義する

Nonconformance Report

不適合内容と是正処置を記録する

Final Acceptance Report

最終承認結果を記録する

82. Inspectionの確認事項

  • 検査基準が明確か

  • 重要特性が識別されているか

  • 検査時期が適切か

  • 測定機器が要求公差に適しているか

  • 測定機器の校正状態が有効か

  • 測定基準と組立基準が一致しているか

  • 工程内のHold Pointが定義されているか

  • 検査結果が記録されているか

  • 不適合管理手順があるか

  • 手直し後の再検査が定義されているか

83. Functional Verificationの確認事項

  • 手動運転が正常か

  • 自動シーケンスが要求どおりに動作するか

  • インターロックが危険動作を防止するか

  • 非常停止がすべての危険源を安全に停止させるか

  • アラームと復旧手順が明確か

  • 異常状態が正しく検出されるか

  • 位置、速度、圧力および温度が要求値を満たすか

  • 繰返し運転において性能が安定しているか

  • 実製品を用いて機能を確認したか

  • 境界条件とWorst-Case条件を試験したか

84. 検査および検証失敗の主な原因

  • 要求事項が不明確

  • 検査基準の欠落

  • 不適切な測定機器

  • 測定方法の誤り

  • 作業者によるばらつき

  • 環境の影響

  • 組立ミス

  • プログラムエラー

  • インターロックの欠落

  • 試験条件の不足

  • 記録の欠落

  • 手直し後の再検査漏れ

85. 結論

Inspection and Functional Verificationは、完成した機械を単に確認する最終工程ではない。

設計意図、製作品質、組立状態、安全機能および実際の運転性能を客観的に立証する品質保証体系である。

その核心は、次の関係を一貫して管理することにある。

  • 要求事項と検査基準

  • 設計図面と実際の組立

  • 部品精度と最終機能

  • 測定値と測定不確かさ

  • 工程内検査と最終検査

  • 静的検査と動的検証

  • 正常条件と異常条件

  • 安全回路と実際の危険源

  • プログラムロジックと実際の動作

  • 工場試験と現地受入れ

  • 不適合と再検査

  • 試験結果とトレーサビリティ情報

優れた検査体系とは、多くの不良を発見するだけの体系ではない。

問題が大きくなる前に誤った状態を検出し、重要な機能と安全性を客観的なデータで立証し、同一の基準によって繰り返し判定できる体系である。

これにより、検査と機能検証は出荷前の最終確認作業ではなく、設計、組立、試運転、受入れおよび保守までを接続する標準化された品質保証プロセスとなる。